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パラパワーリフティングを応援!
「筋肉で日本を持ち上げよう」
~パラパワーリフティングってどんな競技?~

パラパワーリフティングは下半身に障害のある方が対象のベンチプレス1種目の競技です。
今回は、パラスポーツが抱える競技人口やトレーニング場の課題の他、「こんなところに注目すると面白い!」
というポイントや、選手になったきっかけやストーリーなど、素人目線でも楽しめる魅力をインタビューしてみました。

  • パラパワーリフティング運営吉田さん

  • ふくのわプロジェクト担当永栄さん

  • ブランディア広報菅原

今日は、運営の吉田さんにパラパワーリフティングの魅力や、
運営の方が課題に感じていることなどをインタビューできればと思います。
よろしくお願いします!
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
まず早速ですが、
パラパワーリフティングの会員数は今どれくらいいらっしゃるんでしょうか?
普段はどんなトレーニングや活動をされているんですか?
現在選手60~80人くらいが登録しています。
3、4年前くらいまでは20人くらいでした。
最近は毎年、大会ごとに徐々に増えてきているという感覚です。
コロナ前までは、普及イベントや選手発掘事業なども増えていて、それも選手の増加に一役買っていたようにも思います。
パラパワーリフティングはほかの競技のように毎日毎日何時間もトレーニングするわけではないんです。
たいていの選手が、週2~3回、1回1~2時間くらい。
逆に、あまりやりすぎると筋肉が壊れてしまったり、ケガにつながる危険性が高くなったりもしますので…。あと、他のスポーツのパワーアップのために取り入れることもできる種目なので、他競技選手の中にも、もしかしたら有力選手候補がいらっしゃる可能性もありますよね(笑)
では他の競技からの転向とかもあるんですね!

パラカヌーは全国2か所くらいしか練習できる場所がないと
聞いたんですが、パワーリフティングもそういった課題はありますか?
そうですね。
パラ専用のベンチ台が置いてあるトレーニング場は、全国どこにでも、ということはまだありませんね。
パラ専用のベンチ台があって、なおかつ強化選手が複数いらっしゃる県はまだ限られています。
でも北海道の選手もいれば九州の選手もいて、一応北から南まで幅広くいますね。
やはり練習場所はパラスポーツの共通課題ですね。
次は魅力についてお伺いします。
ズバリ、パラパワーリフティングはどこに注目したら面白いですか?
個人的には、ただ力ずくではなく、キレイにあげるところがイイですね。
世界最高記録は、なんと310Kg!
(一番体重が重いクラスの男子選手が、前回のリオ大会で樹立した世界記録)
どれくらいのイメージかというと、バーベルの両端に白鵬がいるのを軽々と持ち上げる感じです。
そんな重さをスッと「美しく」上げるところですかね。
あとは選手の一人一人タイプが違って、バーベルに向かう姿勢にも個性があるところとか。
外に発散する(気合の雄たけびを上げる)タイプ、話しかけられないくらい集中しきるタイプなどなど。
今後もそんな選手たちを身近に感じてもらえるような運営も考えてます。
私も実際の試合を見ていましたが、
エンターテインメント性がすごいと思いました!個人的にはBGMとかも注目。
最近は世界的にも観客に楽しんでもらえるようにしたい、という思いが強くなっていますね。
東京2020の会場が国際フォーラムなんですが、本番に向けて実は色々チャレンジしているところなんです。
例えば劇場で、選手を主役に演劇的な演出を試みたのが2017年、九州芸術劇場で開催したジャパンカップという大会からスタートしています。
パラパワーリフティングとしては日本で初めての国際大会を開催したのが、2018アジア・オセアニア大会なんですが、この大会では照明や映像などを使った美しい演出が世界連盟からも評判がよかったですね。
それ以降、世界的にパラパワーリフティングの大会がエンターテインメント系になってきています。
選手からの要望やこうしたいという思いなんかもありますか?
選手は試合の時、舞台に出て行くと自分に視線が集まることが快感な人が多いみたいです。
コロナ後、お客さんをたくさん会場に入れて、というこれまでの試合ができなくなった時、今度はオンラインで楽しめる試合にシフトしていくかと思いますが、そこについてはまだまだ手が回りきっていないところが課題ですね。
選手たちは「大会」に向けて、
そこを目標に練習しているようなイメージですか?
大会は連盟主催のものは年2回あって、全日本選手権は(出場のための標準記録を突破している)選ばれし選手のみが出場できます。
今年は5月にチャレンジカップ京都大会の予定だったのが(コロナ禍で)できなかったので10月開催に向けて準備しているところです。
このチャレンジカップは、初心者からベテランまで誰でも出場できる大会という位置づけです。
他には兵庫県の健常者のパワーリフティング大会で、障がい者部門もあり、そこに出場する選手もいます。
強化選手は海外遠征もあるので、1年のうちに出場する大会の数はもう少し多いです。
やっぱり選手のモチベーションっていうのは、
大会やオリンピックに出る事なんですかね?
もちろんそれもあるけど、自分自身の記録更新ですかね!
まさに自分との戦い…!
選手のみなさんのパワーリフティングをはじめたタイミングやきっかけってどんなものなんでしょうか?
皆さんそれぞれにストーリーをお持ちで、話し出したら止まらないのですが…
たとえば、事故後のリハビリの中にベンチプレスがあって、こういう競技もあるんだな、と知る人もいる。
知ってたけど興味なかった、という人もいますし、ところがこの競技が障害別では競わず、体重別のみで戦う、ということを知ってそれで興味を持って始めたらはまった人もいます。
バリアフリーな競技というところに最初は魅力を感じたようです。
他にも、入院中に差し入れられた雑誌(ボディビル雑誌だったり)の中に、パラパワーリフティング選手の紹介記事があって、100Kg以上も上げるということに衝撃を受けて、やってみたい!と思った人、差し入れられた雑誌がパラリンピック競技を紹介する冊子で、その中から、パラパワーリフティングだったら自分も選手をめざせそうだ!と思って早速トレーニングを始めた人、元は他競技の選手だったけど、引退してから、もういちどパラリンピックを目指したい、それならもともと好きだったウェイトトレーニングで目指そう!と決めた人もいます。
体験会や発掘事業で才能を見込まれて、うちの理事長や、パラリンピック出場経験のあるベテラン選手から熱烈なスカウトを受ける人もいますね。
運動をあまりしたことがなくても力が強い人っていたりするんです。
選手の性格や、この人喋るとおもしろいな~とかありますか?
試合では集中していて喋ったりできないからクールなイメージなので。
キャラとか想像がつかないから、プライベートとか知ると親近感がわくかなと。
それぞれ本当に違います。
試合だけ見てるとみんな超気合入ってて、似たような方が多いのかな?
と思ったりもするかもしれませんが、おやじギャグばっかり言う人とか、フツーにいますよ!試合中の気迫はすさまじいんです。
でも、普段は…みたいな(笑)パラパワーリフティング関係者ではみんなが知ってる人を、連盟であらためてインタビューしたり紹介するということが難しいと感じててこの人はこんな人、という先入観があり、新たな一面、魅力をより多くの方へ届ける力量が私には無い、ガーン!!みたいなね。
で、菅原さんのようにまっさらな状態で、どうして?知りたい!というポイントを聞いていただいて、紹介していただけたらありがたいな!まさにそうして欲しい!と思っていたところでした!
それはよかったです~。
選手の方とお話するのが楽しみです!あと、年齢層ってどうなんですか?
30代、40代が多いかな。50代も。
あとは10代が4人。20代も増えてきました。
観る人たちも40代~50代が多い?
結構子供が多いかも。
単純に重いものを持ち上げておー!ってなるのを子供たちはすごーい!ってなる。
なので観る人は選手とは逆かもしれないですね。
東京パラが1年延期になって、今のモチベーションは?
連盟としてはどうしてたりしますか?
連盟としては、一時的にトレーニングができなくなっても焦らない。
トレーニング再開すれば、鍛えた筋肉は、元に戻るのも早い。
それよりも、焦りから急に重い重量に挑戦したりしてケガをするのが怖い。
健康第一!ということは言います。ある選手が、
「モチベーションを保つのは難しい。今はリセットして、モチベーションがないことに落ち込まずに。練習はする。モチベーション下がったから練習やらない、っていうのは選手じゃないでしょ」
といっていたのは印象的でした。
今年は全日本選手権も無観客での予定です。
エンタメライブ配信できたらいいなと。
いいですね!
ぜひオンラインライブなどで試合中の選手に寄って観戦してみたい~!

大会について

【チャレンジカップ京都大会】

2020年10月3日(土)、4日(日)開催

https://jppf.jp/game/detail/id/226

【第21回全日本パラ・パワーリフティング選手権大会】

2021年1月30日(土)~31日(日)@千代田区立スポーツセンター

https://jppf.jp/news/detail/id/531

吉田彫子(よしだえりこ)
2017年4月より日本パラ・パワーリフティング連盟、事務局に務め主に事務や広報を担当。
実家がトレーニングジムなため、小学生からバーベルを触ったことはある。
高校では健常者のパワーリフティング大会に出たこともある。 (理事長、事務局長が両親)
大学でスキーにはまったが、卒業後からは運動を一切せずに現在に至る。
常にパラパワーリフティング選手の発達した筋肉を間近に見ているため、
普段、体重100Kgの人を見かけても小柄と感じることがあり、
人の体の大きさについての感覚が世間一般と若干ずれているかもしれない。

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