心を宇宙へと誘う「レボリューション」

Brandear

人気ブランド「FRANCK MULLER(フランクミュラー)」の腕時計【レボリューション】の人気の秘密や豆知識などブランディアならではの視点でご紹介させていただきます。

トゥールビヨン機構の動作を見る、という贅沢

 トゥールビヨン機構は、十八世紀の天才時計技師ブレゲによって発明されました。置き時計に比べると、懐中時計はゼンマイが重力の影響を受けて狂いやすくなります。この重力の影響を打ち消して時計の狂いを少なくするための仕組みがトゥールビヨン機構です。トゥールビヨン機構は、軽くて頑丈な部品で作らなくてはならず、構造も複雑なため、これを組み立てられる時計師の数はごく限られていました。

 二十世紀に入ると、腕時計にトゥールビヨン機構が搭載されたものが作られましたが、多大な技術と労力が費やされて作られたにもかかわらず、時計の狂いを是正する目立った効果が得られませんでした。やがて1960年代にクォーツ式時計が登場すると、機械式時計は売れなくなり、世界中で機械式時計がほとんど作られなくなる時期もありました。けれども1980年台になると一部の時計マニアの間で手巻き式の腕時計の良さが見直され、それと時を同じくして機械式の複雑時計が超高級時計として脚光を浴びはじめます。そんな頃に頭角を現したのがフランク・ミュラーでした。彼は、独立した時計師として活動を始めた最初の頃からトゥールビヨン機構を搭載した時計を発表し続けています。トゥールビヨン機構はフランクミュラーのお家芸とさえ言われ「トゥールビヨン」はフランクミュラーブランドのコレクションの名前にもなっています。

 フランクミュラーの腕時計の特徴を3つ挙げるなら、デザインの美しさと機械式の複雑時計と遊び心です。「レボリューション」は複雑時計の面白さに遊び心が加味された時計なのです。「レボリューション1」が発表されたとき、時計界に衝撃が走ったであろうことは想像に難くありません。日常生活防水で手巻き式ムーブメントの腕時計ですが、七時の位置に付いているボタンを押すと、時計の奥のトゥールビヨン機構を収めた籠がせり出し、複雑な機械の動きが見られるのです。機械式時計を愛する人を楽しませてくれると同時に、このような(ほとんど実用性のない)サービスを演じてくれる腕時計は、究極の遊び時計と言えるのではないでしょうか。

宇宙を想わせる時計

 フランクミュラーの「レボリューション」は、トゥールビヨン機構搭載の複雑時計のシリーズです。

 トゥールビヨン機構をごく簡単に説明すると、まず、機械式時計はゼンマイの力で動きますが、このゼンマイの力を受けて香箱(一番車)が動き、時針を制御します。次に二番車が分針を制御し、三番車が二番車と四番車の間を仲介します。四番車はガンギ車に絡むと同時に秒針を動かします。普通の機械式時計では、四番車の回転がガンギ車に伝わり、ガンギ車からアンクル、アンクルから天符へと力が伝わります。これに対し、トゥールビヨン機構では、四番車が固定されている一方、ガンギ車・アンクル・天符の3つが一つの籠に収められています。そしてこの「籠」が四番車の周囲を回ることでゼンマイにかかる重力の力を分散させるのです。

 さて「レボリューション1」ではトゥールビヨン機構は水平方向にだけ動いています。これに対し「レボリューション2」になるとトゥールビヨン機構は水平方向と上下方向の2つの軸に沿って動きます。ちなみに、このトゥールビヨン機構がケースの下半分を占めるため、通常のアナログ時計と同様に時針と分針が時刻を表示する部分は文字盤の上半分に押しやられています。そして5時位置にレトログラード式の8分計と、7時位置にレトログラード式の60秒計が配置されています。

 「レボリューション3」は、見た目のデザインは「レボリューション2」とよく似ています。「レボリューション3」に搭載されたトゥールビヨン機構は、水平方向と上下方向に加え斜め方向の軸が加わり「3重軸式トリ アクシャル トゥールビヨン方式」となっています。

 「レボリューション」は日本語では「革命」と訳されますが、「回転運動」や「(天体の)公転運動」といった意味もあります。従来の機械式時計では固定されていた機械の一部分が水平方向、上下方向に回りだすのを見ることで、私たちは重力からの解放を連想し、天体の動きや大宇宙へと想いを馳せ、さらには哲学的な思索へと誘われるように思われるのですが、いかがでしょう。

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