「ヴィンテージ」エルメス:クシュベルの魅力

Brandear

『ヴィンテージエルメス』クシュベルの魅力

人気ブランドHERMES(エルメス)のレザー【クシュベル】の人気の秘密や豆知識などブランディアならではの視点でご紹介させていただきます。

クシュベルという素材

HERMES(エルメス)ケリーバッグ/クシュベル/ゴールド
 クシュベルの正式名称は「ヴォー・グレネ・クシュベル(Veau Graine Courchevel)」と言います。雄の仔牛レザーで、細かい型押しとガラス加工が施されており、汚れや擦れに強く、耐水性にも優れた素材です。高級感があり、軽量で、発色が美しく色のバリエーションも豊富です。現在は、ヴォーエプソンが後継素材となって製造が引き継がれています。

 クシュベルとヴォー・エプソンはよく似た特徴をもつ素材ですが、その違いは、大きく分けて2つあります。型押しの深さと光沢感です。ヴォーエプソンと比較すると、クシュベルの方が型押しがしっかりとされており、光沢感もまさると言われています。

 残念ながら、現在は廃盤となってしまったクシュベルですが、廃盤になる以前は、ケリーバッグ・バーキン・ボリードベアン(長財布)・ヴァンキャトル(コインケース)など、エルメスを代表する多くのシリーズに用いられていました。人気のカラーはゴールド、イエローといったところでしょうか。明るめの色が美しく、しかも上品なので手帳や財布などの小物でもクシュベルは人気があります。黄色系の他にもブラウンやレッド、ヴァーミリオン、グリーン、ダークネイビーと、様々なカラーが展開されていました。

 また、今ではクシュベルを使った商品は製造されていませんので、クシュベル素材の商品は「ヴィンテージエルメス」として、中古市場で取引されています。

ケリーとバーキン、クシュベル素材の魅力

HERMES(エルメス)バーキン/クシュベル/コニャック
 クシュベル素材は、エルメスの代表的な商品であるケリーバッグとバーキン、いずれにも用いられており、どちらも人気商品でした。その理由を考えてみましょう。

 ケリーバッグは、1935年に発表された当時は「サック・ア・ロア」という商品名でした。モナコ王妃のグレース・ケリーがこのサック・ア・ロアを愛用していたことで評判となり、ケリーバッグと呼ばれるようになったという経緯があります。王妃のご愛用品だけに、見るからに気品があり美しいデザインに仕上がっています。フォーマル向きなバッグのため、沢山ものを詰め込んでバッグを膨らませるのはおすすめできません。クシュベルは光沢があり型押しのキメが細かく、上品さが感じられる素材です。しかもかっちりとして型崩れしにくいので、ケリーバッグの良さを存分に活かせる素材であったと言えるでしょう。

 一方バーキンは、1892年に発売された「オータクロア」が原型です。女優のジェーン・バーキンがバッグに溢れるほどの荷物を持っていたのを見たエルメスの社長が、オータクロアを改良して作らせたのが「バーキン」だということです。もともとは荷物を沢山持って歩きたい人のために作られたバッグで、大きめのバーキンを肩にかけてさっそうと歩くといったイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。クシュベルは型くずれしにくく、軽量で、しかも傷や水濡れに強いという特徴があります。クシュベル素材のバーキンが人気が高い理由も、なるほどとうなずけますね。

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