PATEK PHILIPPE(パテックフィリップ)のノーチラス
Brandear
人気ブランド「PATEK PHILIPPE(パテックフィリップ)」の腕時計【ノーチラス】の人気の秘密や豆知識などブランディアならではの視点でご紹介させていただきます。
思わず心拍数が上がった大事件
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「世界最高峰の腕時計メーカーから、異色のモデルが出ているらしい。」その話を聞いた時、私は全ての作業を止めて情報を集めまくった記憶があります。それほどに、パテックフィリップの新しい挑戦に興味があったのです。もちろん、今回の主役であるパテックフィリップ・ノーチラスが発表されたのはかなり以前のことですから、当時私のところに来た情報というのは最新というわけではなく、世界の時計愛好家の間では周知の事実ではありましたが。
さて、その実物と対面した第一印象ですが、規格外という言葉がしっくりきます。それまでビクトリア女王など高貴な人物をターゲットに社交界でのアイテムとして進化を遂げたデザインの腕時計ということもあって、繊細な芸術作品という印象がありました。その中で、ある意味スポーツモデルとも言えるシルエットは規格外でした。
そして、それ以上に驚いたのが防水性能でした。とても水圧に耐えそうにないその薄型のケースはなんと120メートル防水という実力でした。その時の驚きは今も忘れられません。
「耳」は全てを物語る
もしもファンであれば、パテックフィリップ・ノーチラスの「耳」と聞いてワクワクすることでしょう。この特徴的なデザインは、技術の発達した今では、歴代のDNAを引き継ぐ象徴でしかありませんが、発表当時は機能的に重要な構造物でした。
ファッション性重視のラグジュアリーモデル並の薄さでありながら120メートルの防水性能を実現するには、従来の防水時計の一般的構造である3ピースではなく、もっと単純な2ピースである必要がありました。そこで、裏蓋と一体になったケース本体とベゼルのみという、わずか2つのパーツを強固に固定するため時計の左右を縦に串刺しにするアイデアを採用しました。その際の構造物として「耳」が造られたというわけです。
ちなみにこのモデル発表当時、他の腕時計メーカーからは600メートル防水時計などは既に発表されてはいましたが、それらは性能面にフォーカスしていたため厚みがあり、ラグジュアリーウォッチとしてはいささか疑問もあったと思われます。
現そのような流れの中で、ファッションアイテムと実用品とのバランスを上手に考慮したパテックフィリップの功績は、世界最高峰の時計メーカーとしてのプライドと実力の現れとも言えるのではないでしょうか。