SEIKO(セイコー)の技術の結晶
Brandear
人気ブランド「SEIKO(セイコー)」の【クオーツウォッチ】の人気の秘密や豆知識などブランディアならではの視点でご紹介させていただきます。
時計業界が騒然!『アストロン』の登場
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1964年、東京オリンピックにてSEIKO(セイコー)の機械式ストップウォッチが公式計時機器として採用されました。日本の時計ブランドが世界的に認められるようになったきっかけです。そして1969年、セイコーは世界初のクオーツ式時計の『アストロン』を発売し、さらに世界でその立場を躍進させました。
それまで世界の時計業界はスイス企業による機械式時計が主流でしたが、このクオーツ式時計の登場によって、「クオーツショック」と呼ばれる出来事が引き起こされたのです。
スイスフランの高騰・オイルショックによる生産コストのアップなど当時の経済的背景も相まって、廃業に追い込まれるスイスの時計メーカーも少なくありませんでした。ちなみに当時の『アストロン』の定価は45万円ととても高価なものでした(当時の円相場で自動車の定価よりも高い)が、技術の向上によって大量生産が可能となり、世界の時計業界を席巻していくのです。
元々クオーツ式時計は第二次世界大戦以前に考案されており、天文台の大型の置時計などには使用されていましたが、腕時計レベルまでに小型化を可能にしたのはまさにSEIKO(セイコー)の技術力の賜物です。
機械式とクオーツ式の融合
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SEIKO(セイコー)独自の技術に『スプリングドライブ』というものがあります。あまり聞き慣れない方もいらっしゃると思うので、簡単にご説明いたします。
ズバリ、アナログ(機械式)とハイテク(クォーツ式)の融合!...と言われてもピンと来ませんよね。少し深入りしてみましょう。『スプリングドライブ』のムーブメントの動力源はゼンマイなのでアナログ(機械式)と言えますが、電池を使用した時刻の正確性はハイテク(クオーツ式)とも言えます。さらに『スプリングドライブ』の特徴は秒針にも現れています。秒針がIC制御によって適度な速度に調整されている「スイープ運針」という方式が採用されており、時の流れを感じられるような滑らかな動きが特徴です。実はクオーツ時計もIC制御なので同じことができそうですが、電池の消耗を考慮して、「スイープ運針」は採用されていません。動力源がゼンマイだからこそなせる技なんですね。
私はSEIKO(セイコー)の『スプリングドライブ』からは「時間は刻むものではなく、流れていくもの」というメッセージを感じずにはいられません。